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【コラム】法律お役立ちコラム《債務整理_vol8》
破産事件について~破産管財人が就く場合と就かない場合
1 はじめに
破産事件には、破産管財人が就く場合(「管財事件」)と、破産管財人が就かないで「同時廃止」として手続きが終了する場合があります。
破産管財人が就く場合には、引継予納金と言う費用を納める必要があり、その金額は東京地方裁判所の場合は最低20万円とされています。
同時廃止の場合は、このお金は必要ありません。
従って、破産管財人が就く場合と就かない場合のどちらになるかは、申立てをする方にとって大きな負担の違いがあります。
2 同時廃止とは/破産管財人とは
同時廃止とは、「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると裁判所が認めたとき」に、破産手続開始決定と同時に破産手続きを廃止するものです(破産法216条1項)。
破産管財人とは、破産手続きにおいて、破産財団に属する財産の管理・処分等を行う者を言います(破産法2条12項)。
破産管財人は、破産手続きの開始決定と同時に、裁判所が選任します。
破産管財人には法的知識が不可欠のため、弁護士から選任されることになります。
3 同時廃止と管財事件の区別の基準
では、どのような場合に同時廃止となり、どのような場合に管財事件となるのでしょうか。
東京地方裁判所では、以下のような場合には、原則として管財事件として扱うものとされています。
・20万円を超える現金がある場合
・20万円を超える換価対象財産がある場合
例えば、20万円以上の預貯金や積立金、保険の解約払戻金、不動産などがある場合です。
・資産調査が必要な場合
・法人及び法人の代表者の場合
・個人事業者の場合
・免責調査を経ることが相当な場合
例えば浪費などの免責不許可事由がある場合は、管財人による調査が必要となります。
以上の場合には、原則として破産管財人が就任することになります。
ただし、ご相談段階で上記のいずれかにあたる場合であっても、事情によっては管財事件とならずに同時廃止として破産手続きを進められることもあります。
当事務所では、管財事件となるか同時廃止になるか、具体的事情に応じて事前に見通しをお伝えすることが可能ですので、まずはご相談ください。