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【コラム】法律お役立ちコラム《債務整理_vol3》
自己破産と免責不許可事由
1 免責されない場合
自己破産は、裁判所の決定で借金を返さなくてよい状態にしてもらうために行うものです。
このような裁判所の決定を、免責許可決定と言います。
しかし、破産申立てをした場合であっても、必ず免責許可決定がなされるわけではなく、一定の場合には免責が不許可とされることもあります。
どのような場合に免責が不許可とされるかについては、破産法252条1項各号に定められていますが、今回は、そのなかでも実際によく問題となる事由について解説します。
2 免責不許可事由の具体例
① 不当な財産価値減少行為
自身が所有している財産を隠匿したり損壊した場合です。
例えば、実際には多額の現金があるにも関わらず自宅に隠して置き、破産申立てにあたってその事実を隠していたような場合です。
② 不当な債務負担行為など
破産手続きの開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分した場合にも、免責不許可事由があるとされます。
例えば、「クレジットカードで即現金化」などと謳われている広告に乗せられてしまい、換金目的でクレジットカードで使用してすぐに売却してしまうような行為があげられます。
③ 浪費、賭博などの行為
浪費や賭博などが理由で多額の債務を抱えてしまった場合にも、免責不許可事由があるとされます。
3 免責不許可事由があっても免責される場合もあります
上記のような免責不許可事由があるとしても、すぐに破産を諦める必要はありません。
破産の手続においては、免責不許可事由の具体的な内容や程度、本人の反省など色々な事情を考慮して、裁判所が裁量によって免責を許可してくれる場合があります。
これを裁量免責と言います。
当事務所の弁護士は、破産申立のほか、裁判所の選任により破産管財人も務めており、免責不許可事由がある場合に裁量免責となる場合の事例なども多くの経験があります。
破産をしたいけれども免責されるかどうか不安があるという方は、ぜひ一度ご相談ください。