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【コラム】法律お役立ちコラム《離婚_vol14》
夫婦の同居義務と別居に関する問題について
1 夫婦の同居義務
法律上、夫婦は、「同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と定められています(民法752条)。
従って、配偶者が一方的に家を出て行ってしまい戻ってこないような場合は、「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)として法定離婚原因となります。
ただし、事情があって夫婦が合意のうえで別居している場合や、仕事の都合で単身赴任している場合、既に婚姻関係が破綻した状態で別居している場合などは、別居について正当な理由がありますので、「悪意の遺棄」にはあたりません。
2 「別居●年で離婚理由になる」?
離婚したいけれど相手が応じず、相手に特別な非もないため離婚原因がない場合に、離婚をするために別居に踏み切り、別居期間をかせげばそれ自体をもって離婚原因と主張できるというような考えを耳にすることがあります。
しかし、正当な理由なく一方的に別居をすれば、上記の通り「悪意の遺棄」として自身が離婚原因を作ったことになり、離婚原因を作った側からの一方的な離婚請求は認められないとされる場合もあります。
それだけでなく、上記の通り「悪意の遺棄」として自分のほうが責任追及をされる可能性もあります。
また、「別居して7年たつと離婚理由になる」などという考えを耳にすることもありますが、これも正しい情報ではありません。
別居と一口に言っても、別居の理由や、別居についての双方の意思、それ以外の夫婦の事情など様々であり、単に別居期間が何年間か経過したからという理由だけで離婚原因となるようなルールは存在しません。
3 相手に同居に応じさせたい場合
正当な理由なく別居に応じないことが離婚原因になることは既に述べた通りですが、逆に、きちんと同居に応じさせて夫婦関係を続けたいと考える場合も当然あります。
その場合、相手と直接話し合うことが第一ですが、それが困難な場合は、家庭裁判所に「夫婦関係円満調整」という調停を申し立て、調停のなかで、同居のための話合いを行うことも有効です。