お知らせ
【コラム】法律お役立ちコラム《離婚_vol2》
養育費について
1 養育費とは
養育費とは、子どもが独立の社会人として成長自立するまでに要する全ての費用、つまり衣食住の費用、教育費、医療費、適度の娯楽費などを言います。
ここに言う「子ども」とは、必ずしも「未成年者」と同じではありません。一般的には20歳までとして取り決められることが多いですが、親の資力や学歴、その他家庭環境等を考慮して、高校卒業までとされたり、大学卒業までとされたりすることもあります。
また、養育費の支払義務は、あくまで親としての子に対する義務であり、親権者でなくても親である以上、支払義務を負います。
2 養育費の相場
養育費の金額については、夫婦の収入や生活状況を考慮して決められます。調停や裁判の実務では、平成15年に公表された「養育費算定表」という表をもとに算定されることが一般的です。養育費算定表は、裁判所のホームページでも閲覧することが出来ますので参考にしてください。
⇒リンク:裁判所ホームページ_養育費算定表
3 養育費の取り決め、請求方法
養育費の金額や支払い方法については、まずは夫婦の間の話合いで決められます。話合いがまとまらない場合は、調停、審判、訴訟などの法的手続きを通じて養育費が決定されることになります。
4 養育費の支払いが滞ってしまった場合
養育費は、通常、一括払いではなく、1か月ごとに支払われる取り決めとされることが多いです。そのため、長期間に亘る支払いとなり、その間の支払いを確保することが非常に重要です。
単なる口約束や誓約書のようなものを作っただけだと、その約束通りに支払いがなされなかった場合に強制力がありません。
これに対し、支払約束について公正証書を作成している場合や、調停や審判、裁判などの法的手続きを経ている場合には、強制執行を申し立て、相手方の給与や資産を差し押さえて養育費を取り立てることが出来ます。
5 養育費の増額・減額請求
当事者いずれかにおいて、養育費取り決め時の事情が変化した場合には、養育費の増減額請求が出来ます。
養育費の増減額請求で考慮される事情としては、主に以下のものがあります。
① 父または母の再婚、それによる新たな子の出生
② 父母双方の職業の変更と収入の変化
③ 病気
④ 子の成長、就職
⑤ その他、当事者を取り巻く社会的状況、経済情勢の変動など諸般の事情の変化が生じた場合
ただ、一度取り決めた養育費の増減は、当事者の新たな生活設計がこの取り決めに基づいてなされることから、一定の期間の経過と相当程度の事情の変化が必要とされます。
6 おわりに
養育費については、離婚にあたって、相手方と話合いをしたくない、とにかく早く縁を切りたいなどの理由で取り決めをしないまま、親権者が一人苦労をして子どもを育てているケースが多くあります。
しかし、養育費は、子ども自身のためのものです。子どもの健全な成長のためにも、きちんと取り決めをすべきでしょう。
話合いが困難な場合には、弁護士が交渉窓口となることが可能です。どうぞご相談ください。
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【コラム】法律お役立ちコラム《離婚_vol1》
離婚に伴う慰謝料の相場について
1 算定基準はあるの?
そもそも慰謝料とは、その方の被った精神的な苦痛を慰謝するためのものであり、その金額の算定は、「つらかった気持ちをお金に換算する」というとても難しい問題です。そのため、慰謝料の算定にあたっては何か決まった基準などがあるわけではありません。
2 金額の相場は?
ただ、裁判例の積み上げなどにより、一定の目安が存在することは確かです。
実際の事案でどの程度の金額になるかは、事案の内容次第ですが、一般的に多いのは、100万円から300万円程度の金額と思われます。
皆さんこの金額をお聞きになると、「自分がこれほど辛い思いをしてきたのに、それだけしかもらえないの?!」と驚かれることが多いですが、日本の裁判実務ではこの程度がいわゆる「相場」です。
3 どのような事情が考慮されるの?
では、実際の事案でどのような事情が慰謝料算定の基礎とされるのでしょうか。主には以下のものがあります。
◆不法行為の態様・程度、頻度、結果の重大さ等
離婚原因となった不法行為が具体的にどのようなものであったかが考慮されます。慰謝料算定の最も重要な要素です。
◆婚姻期間の長短
婚姻期間が長くなるほど離婚による精神的苦痛は大きいとされ、慰謝料が高額となる傾向があります。
◆子どもの有無
養育する必要のある子どもがいて、人数も多いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。
◆相手の年収、職業
相手の年収が高額であったり、社会的地位の高い職業に就いているような場合には、慰謝料が高額となる傾向があります。
◆本人の自活能力
本人が専業主婦として家事に従事してきたため自活能力が低いような場合には、慰謝料が高額となる傾向があります。
4 慰謝料を請求するために必要な証拠とは?
上記の通り、慰謝料の算定にあたっては、離婚原因となった不法行為の内容が重視されます。
そして、調停や裁判になった際、その事実を主張するにあたっては、客観的な証拠に基づいて主張をすることが肝心です。
例えば、不貞行為の証拠としては、相手の携帯電話に残っていたメールやSNSのやり取り、写真や動画などが考えられます。
DVを受けていた場合には、怪我の状態を写真に残しておいたり、診断書を取っておくことが重要です。
また、いつどのようなことがあったか、ご自身のメモや日記をつけておくだけでも証拠になります。
これらの証拠は、離婚を決意して別居をした後ではもはや収集できないものが多いと言えます。
出来るだけ早い段階で、証拠を収集しておくようにしてください。
どのような証拠が必要かなど、弁護士にご相談いただければアドバイス致します。
【お知らせ】事務所開設のご挨拶
仙川総合法律事務所のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
当事務所は、仙川の地で生まれ育った弁護士が、地域の皆さまのお役に立てる身近な法律事務所を作りたいとの思いで、約9年間所属した事務所から独立し、平成29年1月に開設した法律事務所です。
皆様が何か困ったことがあった際、弁護士に相談をしたいと思っても、一体どこのどんな弁護士に相談をしたらよいか、悩まれる方が多いのではないでしょうか。そのようなとき、まずは身近な場所にいる弁護士に、気軽な気持ちで相談に来ていただけるような、地域に根差した法律事務所を目指したいと考えております。
当事務所は、「総合」と名乗る通り、個人の方が遭遇し得るほぼ全ての法律問題に精通しているものと自負しております。 どのような問題でも、まずはご相談ください。きっと、何かが動き始めます。