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2017 / 02 / 09  09:30

【コラム】法律お役立ちコラム《離婚_vol1》

離婚に伴う慰謝料の相場について

 

1 算定基準はあるの?

そもそも慰謝料とは、その方の被った精神的な苦痛を慰謝するためのものであり、その金額の算定は、「つらかった気持ちをお金に換算する」というとても難しい問題です。そのため、慰謝料の算定にあたっては何か決まった基準などがあるわけではありません。

 

2 金額の相場は?

ただ、裁判例の積み上げなどにより、一定の目安が存在することは確かです。

実際の事案でどの程度の金額になるかは、事案の内容次第ですが、一般的に多いのは、100万円から300万円程度の金額と思われます。

皆さんこの金額をお聞きになると、「自分がこれほど辛い思いをしてきたのに、それだけしかもらえないの?!」と驚かれることが多いですが、日本の裁判実務ではこの程度がいわゆる「相場」です。

 

3 どのような事情が考慮されるの?

では、実際の事案でどのような事情が慰謝料算定の基礎とされるのでしょうか。主には以下のものがあります。

 

◆不法行為の態様・程度、頻度、結果の重大さ等

離婚原因となった不法行為が具体的にどのようなものであったかが考慮されます。慰謝料算定の最も重要な要素です。

◆婚姻期間の長短

婚姻期間が長くなるほど離婚による精神的苦痛は大きいとされ、慰謝料が高額となる傾向があります。

◆子どもの有無

養育する必要のある子どもがいて、人数も多いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。

◆相手の年収、職業

相手の年収が高額であったり、社会的地位の高い職業に就いているような場合には、慰謝料が高額となる傾向があります。

◆本人の自活能力

本人が専業主婦として家事に従事してきたため自活能力が低いような場合には、慰謝料が高額となる傾向があります。

 

4 慰謝料を請求するために必要な証拠とは?

上記の通り、慰謝料の算定にあたっては、離婚原因となった不法行為の内容が重視されます。

そして、調停や裁判になった際、その事実を主張するにあたっては、客観的な証拠に基づいて主張をすることが肝心です。

 

例えば、不貞行為の証拠としては、相手の携帯電話に残っていたメールやSNSのやり取り、写真や動画などが考えられます。

DVを受けていた場合には、怪我の状態を写真に残しておいたり、診断書を取っておくことが重要です。

また、いつどのようなことがあったか、ご自身のメモや日記をつけておくだけでも証拠になります。

 

これらの証拠は、離婚を決意して別居をした後ではもはや収集できないものが多いと言えます。

出来るだけ早い段階で、証拠を収集しておくようにしてください。

 

どのような証拠が必要かなど、弁護士にご相談いただければアドバイス致します。

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