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2017 / 11 / 21  09:30

【コラム】法律お役立ちコラム《離婚_vol11》

財産分与

 

婚姻期間中に形成された財産は、特別な事情がない限り夫婦の共有財産となります。

仮に妻が専業主婦であったとしても、妻の協力があってこそ夫が収入を得ることが出来たわけですから、夫婦で得た財産は基本的には全て共有財産となります。

ご自宅不動産の名義が夫の単独所有となっていることもよくありますが、法的には名義に関わらず実態を判断しますので、夫婦の共有財産として扱われます。

 

1 分与の対象となる財産

一般的に、妻と夫が所有している財産として、婚姻後に形成されたものだけでなく、婚姻前からの財産が含まれていることも多くあります。

離婚にあたっては、そのような財産全体の内、どの財産が分与の対象となるのかを判断しなければなりません。

その判断は、以下の分類に沿って検討されます。

 ①特有財産

  名実共に夫婦それぞれの所有である財産を言います。

  婚姻前から各自が所有していたものや、婚姻中に一方が相続や贈与により取得したものなどがこれにあたります。

  特有財産については、財産分与の対象とはなりません。

 ②共有財産

  名実共に夫婦の共有に属するもの。

  夫婦が合意で共有とし、共同名義で取得した財産、婚姻中に取得した共同生活に必要な家財、家具等が含まれます。

  共有財産は、当然に財産分与の対象となります。

 ③実質的共有財産

  名義は一方に属するが実質的には夫婦の共有に属するもの。

  上記で説明したような、婚姻期間中に購入したマイホームが夫単独の名義になっている場合が典型例です。

  その他、自家用車、共同生活の基金とされる預金、株券等で夫婦の一方の名義になっているものが含まれます。

  実質的共有財産は、清算対象の財産ではないという特別な事情がない限り、財産分与の対象とされます。

 

2 財産分与の割合

基本的には、財産形成に対する夫婦それぞれの貢献度によって決めることになります。

ただ、実際の裁判や調停では、夫婦が婚姻中に取得した財産は、原則として夫婦が協力して形成したのであり、その貢献度は平等であるとされています。

従って、分与の割合は、2分の1が原則となります。

 

3 財産分与の判断の基準時

既に別居しており、別居後に一定の財産が形成されているような場合には、どの時点での財産を分与対象にするのか、争いになることがあります。

これついては、裁判時(口頭弁論終結時ないし審判時)とする説、別居時とする説、離婚時とする説の3つがあり、判例や学説は統一されていないのが実情です。

ただ、実務においては、一応夫婦の協力関係の終了する別居時を基本とし、公平の見地から、事情によりその後の財産の変動も考慮して妥当な解決を図ることが一般的です。

 

財産分与については、財産の調査や分与方法など、専門的な知識が必要になるケースが多く、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

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